かぐらなんばんみそ
こんにちは、山椒です。
うちの近くにはJAの直売所があるのですが、東京では見かけない野菜がいろいろ売っていて、見ているだけでも楽しくなります。
春には山菜がたくさん並んでいましたが、もうほとんど終わってしまって、代わりにいろいろな農産物が出回ってきました。
はじめての野菜は調理方法がわからないので、少し抵抗がありますが、せっかく十日町に住んでいるんですから、どんどん挑戦していきたいと思います。
今回は、神楽南蛮(かぐらなんばん)という唐辛子です。
”新潟県古志郡山古志村(現長岡市)で栽培されるきわめて独特な南蛮(とうがらし)である。肉厚、大型で、さわやかな辛味が身上で、ゴツゴツとした外観が神楽面に似ていることから「かぐらなんばん」と呼ばれるようになった。”
引用 - かぐらなんばん
見た目は、かっこいいピーマンです。
試しにひとつ、ピーマン代わりに豚肉とあわせて炒めてみたものの、よく味わうと遠くにわずかな辛みを感じるくらいで、ちょっと野性味のあるピーマンという印象でした。
それから調べてみると、神楽南蛮は種が辛いそうで、種も一緒に食べるということがわかりました。なるほど。
ピーマンはふつう、種取っちゃいますもんね。
ということで、定番と思われる「かぐらなんばんみそ」を作ることにしました。
レシピは、JAでいただいたものを使っています。
材料:
神楽南蛮 4個
炒め油 少々
砂糖 小さじ2
赤みそ 40g
しょうゆ 小さじ2/3
みりん 小さじ2
まずは、神楽南蛮の「へた」のみを取ります。
そして、種ごとみじん切りにします。
砂糖を加えて、少々の油でしんなりするまで炒めたら・・・
味噌を加えて、焦がさないように弱火で炒めていきます。
ほどよいところで、しょうゆ、みりんを加えて、完成です。
炒める前の半分くらいになりました。
炒めている時に辛味が蒸発するのか、咳が止まりませんでした。
まだ試食していませんが、辛味には期待できそうです。
あ、ところで、私は料理は素人ですから、作り方が間違っているなんてこともあると思います。
コツなどありましたら是非教えてくださいね。
いやあ、夕食が楽しみだなあ。
八海山の山開きと越後三山縦走
去る6月26日、新潟県南魚沼市の八海神社・城内口里宮にて、八海山火渡大祭・八海山山開きが行われました。
よい機会でしたので、お祭りに参加して、そのまま越後三山を縦走してきました。
境内では、お守りや、家内安全云々のお札のついた赤飯やお弁当を売っており、お酒のふるまいもしていました。
お神酒はもちろん「八海山」!
本殿では、お山開き祭りの祝詞をあげていて、たくさんの方がお参りされていました。
「福笹」が無料で配られていました。
玄関などに飾るそうです。
本殿での行事のあと、火渡り神事に移ります。
広場の中央に杉の葉が山盛りにされています。
昼食を用意していなかったので、五目赤飯をいただきました。
モチモチのもち米がとてもおいしかったのですが、後からアズキが入っていなかったことを思い出して、すこし口寂しい気持ちになりました。
ほら貝の鳴り響く中、粛々と火が点けられていきます。
火が杉の葉に移っていきます。
煙がもうもうと上がります。
行者さんが護摩木を投げ入れています。
燃え進むと煙は少なくなり、かわりに火が大きくなっていきます。
見ているだけでも熱かったので、行者の方々は大変だったろうと思います。
しばらくすると火の勢いは収まり、行者さんが火渡りを行ったあと、一般の方々があとに続きます。
登山の安全を祈願して、私も渡らせていただきました。
足元の火はほとんど消えているのですが、両脇には火がくすぶっていて、かなりの熱さを感じました。
神社をあとにして、登山口へ向かいます。
棚田に空が映ってきれいです。
今回、八海山には屏風道から登ります。
屏風道は傾斜が急なため、登り専用となっており、いたるところに鎖が設置されています。
屏風道の入口にはカゴがあり、川の増水時にはこれを使って行き来するようです。
四合目付近には、まだ食べられそうなワラビが生えていました。
この日は曇りで、午後から雨の予報だったのですが、一瞬雲が切れ、南魚沼市街が見えました。
前回歩いたときには田んぼが水鏡のようになっていましたが、もうずいぶん稲が育って、一面が緑で埋め尽くされています。
八海山の岩峰群が近づいてきました。
何度見ても迫力があります。
千本檜小屋に着く頃には雨が降ってきました。
あたりは真っ白で、展望はまったくありません。
もともとはツェルト泊の予定でしたが、避難小屋が開放されていたので使わせていただきました。
二階建ての立派な小屋です。
夕食は人参、玉葱と高野豆腐の煮物です。
米を多めに炊いて、明日のためのおにぎりを作りました。
小屋はきれいに使われていたのですが、この夜、小屋の中でカサカサと虫の歩く音が聴こえてよく眠れませんでした。
翌朝4:30、相変わらずの天気ですが出発します。
ガスが濃く、すぐ近くにあるはずの八ッ峰も見えません。
前回、八ッ峰を歩いたので、今回は迂回路を使いましたが、こちらもかなりの傾斜があり、注意が必要です。
時折、雲の切れ目から岩峰群が覗きます。
八海山最高峰、入道岳です。
ここから八ッ峰が見えたらカッコイイんでしょうけど、何にも見えないですね。
さらに進んで、五竜岳直下から中ノ岳方面を望みます。
北アや南八ッのようにダイナミックな山容ですが、越後三山は標高が低い上、このあたりは豪雪地帯ですから、水が豊富で植物がよく育つのでしょう。
稜線までびっしりと草木が生えています。
ここから最低鞍部の「オカメノゾキ」まで500m下り、中ノ岳まで800m登り返します。
7時頃から晴れ間が出てきましたが、合わせるようにブユが大量に沸いてきて、あちこち刺されてしまいました。
虫除けを持ってくるべきでしたね。
このオカメノゾキルートは、昭文社の「山と高原地図」では破線(難路)になっているのですが、単純に高低差があるというだけでなく、細かいアップダウンのそれぞれが急傾斜や鎖場になっており、濡れていると大変に滑ります。
稜線に植物が生えているので、遠目にはマイルドに見えますが、ノーマルルートとしてはなかなかの難度だと思います。
途中、トレラン風の格好をしたお兄さんに抜かれました。
一日で越後三山をまわって下山するそうです。すごい。
越後三山の一日縦走は、日の出前から登り始めて、日の入り後に終了という感じでしょうから、ちょうどギリギリ(?)行けるかどうか、というイメージです。
やるなら、夏至前後の今の時期がベストでしょうね。
途中で泊まると荷物が増えてペースも落ちますから、どちらがよいのか、どちらにしてもけっこうキツイですね。
岩場もあって全身使いますから、毎週やったらムキムキになりそうです。
オカメノゾキを越えて、御月山(おつきやま)へ向かいます。
ここの登りが最後の難関、一見どう上がるのかわかりませんが、正面の鎖場から直登します。
御月山山頂からの八海山。ピークの右に八ッ峰が見えています。
この山の名前は今回はじめて知りましたが、縦走中、最高の眺めです。
御月山山頂から越後駒ヶ岳。
うんうん、いいですね。
そして、御月山山頂からの中ノ岳。
三方に越後三山がビシッと見えて、本当にいい。
次に来たときは、パノラマ写真を撮りたいですね。
御月山から少し進むと、雪渓の水場(祓川)があります。
日が出ると暑くて、水をどんどん消費します。
御月山から先は快適な一般道になりますが、一部雪渓が残っていました。
アイゼンを持っていなかったので少し苦戦しました。
すれ違った、別のトレラン風の人(この方も一日縦走!)は、中ノ岳から祓川沿いに下ってきたそうで、もしかしたらそのほうが正解だったかもしれません。
中ノ岳避難小屋に到着です。左奥が山頂。
それにしても、越後三山は避難小屋がみんな立派で、中もきれいです。
せいぜい岩小屋みたいなものかと思っていたので、いいほうに裏切られました。
小屋にザックを置いて、空身で往復しました。
いい天気です。
当初、中ノ岳で泊まる予定を立てていたのですが、この時点でまだ13時でしたので、越後駒ヶ岳まで行くことにしました。
一般道だから楽勝かと思っていましたが、藪がすごい。
足元が見えない上、右側が切れ落ちているので注意して進みます。
途中、右手に集落が見えましたが、山奥すぎて心配になるほどです。
周りずーーっと何もないじゃん。
あとから調べましたら、銀山平という温泉地のようです。
この位置からは見えませんが、奥只見湖のほとりにあるようです。
天狗平から、最後の登りです。
このあたりは植物の背が低くて歩きやすかったです。
ついに山頂が近づいてきました。
右肩には駒ノ小屋が小さく見えています。
越後駒ヶ岳山頂です。
越後三山(魚沼三山)の中で、この山だけが日本百名山に選ばれています。
八海山に登ったときには、ここも百名山でも良いのではと思っていたのですが、三つのなかでどれを盟主にするかといえば、この山なのかもしれません。
なぜかと聞かれても、こまります。
続いて、駒ノ小屋へ下ります。
雪渓にはステップが切ってありました。
駒ノ小屋は、山頂から15分ほど下ったところにあって、なんで山頂から離したのかと思っていましたが、雪渓に沿って建てたんですね。
おかげで豊富に水が使えます。
※雪渓の消える時期には、水が涸れることもあるようです。
今日の夕食は、ニンニク入りの味噌煮です。
つかれて食欲がわかず、米は炊きませんでした。
夜半から、また強い雨が降ってきました。
翌朝になっても、雨が降り続いています。
きのう頑張って駒ヶ岳まで歩いたので、この日は下山のみとなります。
グシガハナを経て、十二平へ下ります。
6時間ほど歩いて、十二平に到着です。
雨で景色が見えず、靴もぐしょぐしょだし、三日目でお疲れということもあって、途中ほとんど写真は撮れませんでした。
いけませんねー。
三日ぶりのコンクリートロードです。歩きやすい!
いつの間にか雨も上がりました。
野生動物観察中の方がいました。楽しそう。
立派な堰堤がいくつもあります。
日常がこの風景というのは、すごいことです。
魚沼産コシヒカリ!でしょうか。
山からの雪解け水が、集落を潤しています。
こりゃあ、うまい米ができるわけです。
荒金入口からバスに乗って、帰路に着きます。
三日間おつかれさまでした。
ところで、バス停の名前って電車の駅名とは雰囲気が少し違いますよね。
より細かいというか、土地がにじみ出てくる感じがします。
「君帰り」なんて、なんだろうと思って調べたら、Wikipediaに載っていました。
他にも、魚沼地方には、一日市(ひといち)、二日町、四日町、五日町、六日町、七日市、九日町、十日町といった、市(いち)の立った日がそのまま地名になったところがたくさんあるのですが、ふと「四十日(しとか)」なんていうバス停(集落)があって、これも由来が気になっているところです。
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今回、越後三山を歩いたことで、魚沼地方の風土を感じられたように思います。
豊かな水に支えられた、鬱蒼としながらも決して暗くない森、豪雪によって鋭く削られた山肌、粘り強い自然の雰囲気は、集落に住む人々にもつながるのかなあと勝手に考えています。
都会では、山と街が切り離されている感じがありますが、ここでは山や自然がそのまま生活につながって、収入源にもなっている。
これは本来当たり前のことなのかもしれませんが、私には新鮮でした。
また、気が向いたら歩いてみたいと思います。
寝坊の八海山
十日町市には鉄道が2路線あり、南北方向にJR飯山線、東西には北越急行ほくほく線(北越北線)が走っています。
このうち、ほくほく線は1997年(平成9年)に開業した比較的新しい路線で、直江津-越後湯沢(乗り入れ区間を含む)をつないでいます。
路線長の約68%がトンネル、16%が橋や高架という山岳路線の上、在来線最速となる160km/h運行(現在は110km/h)、豪雪への対策など、鉄道ファンならずとも興味を惹かれるところがあります。
昭和のはじめから計画されていた路線で、開業までには大変な苦労があったようです。
さて、ほくほく線に乗って六日町駅を出発するとすぐに水田地帯が広がり、左にゆっくりと大きなカーブを描きながら、魚沼丘陵を貫くトンネルへと向かっていきますが、この時、右手に立派な山塊が見えてきます。
これが越後三山のひとつ、八海山です。
越後三山(魚沼三山)は、越後駒ヶ岳2003m、中ノ岳2085m、八海山1778mの総称で、魚沼地方を代表する山々です。市街地からは八海山がよく見えますが、越後駒ヶ岳と中ノ岳は八海山の裏に隠れています。
八海山のふもとには、同名の日本酒で有名な八海醸造があります。
ところで今回、本当は麓から登る予定だったのですが、あろうことか寝坊をしてしまい、ロープウェイで四合目まで上がってから歩き始めることとなりました。
遠くに目指す八海山が見えています。
手前にある南魚沼市図書館は2014年に開館したばかりの大変きれいな建物です。
内装には杉の木が使われていて、落ち着いた空間になっています。
六日町から30分ほどバスに乗って、八海山スキー場に着きました。
ここからロープウェイで、四合目まで上がります。
着いてから知りましたが、このロープウェイ、西武グループなんですね。
PRINCE SNOW RESORTと銘打って、全国10ヶ所にスキー場を持っているそうです。
ゴンドラと同じデザインの電車が、西武鉄道でも走っています。
山頂駅(四合目)に到着するとこの眺め。
眼下に魚沼盆地が広がります。
ロープウェイの片道券を買ったところ、ゴンドラのお兄さんにどこへ行くのかと聞かれ、八海山に登って下山すると伝えたら心配されてしまいました。
この時点で正午をまわっていましたので、コースタイム通りに歩くと20時を過ぎる計算です。確かに仰るとおり、申し訳なかったです。
何はともあれ歩き始めると、新緑が美しく、ところどころ花も咲いています。
この日、日差しが強かったので帽子をかぶっていったのですが、正解でした。
東京では30度以上の真夏日だったようです。
しばらく歩くと女人堂跡です。
八海山は信仰の山なので、いたるところに石碑や仏像があります。
6月には山開きの行事として、火渡りなどのお祭りが行われるそうですよ。
カタクリの花が咲いていました。
麓では4月中旬には咲いていましたから、一ヶ月以上遅いことになります。
それほど標高が高い山ではありませんが、さすがに豪雪地帯ですね。
今年は少雪のため、これでも例年より早い開花のようです。
残雪の上を歩いていきます。
目立った雪渓はここだけでした。
千本檜小屋が見えてきました。
八海山は2,000mに満たない山ですが、山頂付近が開けていていい景色です。
これも森林限界というんでしょうか。
寝坊しなければ、この屏風道から上がるつもりでした。
急登のため、下山禁止となっているコースです。
八海山には「八ッ峰」と呼ばれる岩峰群があり、それぞれに名前がついていて、これを総称して八海山と呼んでいます。
正確には、八海山という山はないんですね。
上の写真はその一つ目、地蔵岳です。
越後三山の雪解け水が、川になって水田に流れ込む様子がわかります。
遠くが少し霞んでいますが、空気の澄んだ日には日本海も見えるそうです。
不動岳。
それぞれの山頂にはたくさんの石碑が建っています。
八ッ峰の通過は1時間程度と短いものですが、起伏に富んでいて冒険的です。
近所にこういう山があると楽しいですね。
ただ、全体がさざれ石のような岩質で、非常にもろく、クライミングには適さないようです。
迂回路にハーケンが打たれているという話を聞いていたので、もしかしたら練習場になるかと期待していましたが、これはダメですね。
摩利支岳から。
左に見えるピークが越後駒ヶ岳、右が中ノ岳です。
八峰目、大日岳の下りです。
鎖があるので問題ありませんが、なかったら確保が必要な傾斜です。
大日岳を振り返って。
八海山の最高点はこの先の入道岳(1,778m)ですが、時間がないので次回に譲ります。
新開道から下山していきます。
思っていたよりも不安定で、登り向きのルートでした。
すぐとなりの屏風道が下山禁止ですから、そういうことなんでしょう。
遠くに群馬県境の山々が見えています。
カッパン倉から八ッ峰を振り返って。
ここまで来ると、急坂も落ち着いてきます。
稲荷清水には、かわいい鳥居がありました。
ブナの新緑は、さわやかな色をしています。
ゴール間近に、ワラビが群生していました。
以前なら気にも留めなかったと思いますが、食べられると知ると、宝の山に見えてくるのが不思議です。
葉が開いてしまうとダメで、このくらいのをアク抜きしていただきます。
登山道の終点です。
おつかれさまでした。
あそこから下りてきたんですねー。
こぢんまりとした神社がありました。
なかなかいい雰囲気だったのですが、あまり上手に撮れませんでした。
風情のある集落です。
水を張ったばかりの棚田が輝いています。
今週末に八海山登山マラソンが行われるのですが、その準備でしょうか、道路沿いにColumbiaのフラッグが点々と立っていました。
八海山神社里宮です。
八海山の主な登山口は3つあるのですが、それぞれに里宮が設けられています。
他の神社にも、そのうち行きたいですね。
お守りにも興味がありましたが、社務所が閉まっていたのでおあずけです。
神社の入り口には、立派な杉並木がありました。
180年ほど前に、地元の集落の方々が植林されたものだそうです。
今回は寝坊をしてしまいましたが、それでも出かけてよかったですね。
ここのところ、夜更かししているわけでもないのに朝が弱くていけません。
山は早起きが肝心ですから、生活のリズムを整えていきたいところです。
次は、越後三山を縦走したいとおもいます。
※2016/5/23 11:50八海山ロープウェイ山頂駅-12:25女人堂-12:55薬師岳-14:00大日岳-15:00カッパン倉-15:25稲荷清水-16:00駐車場