寝坊の八海山

 十日町市には鉄道が2路線あり、南北方向にJR飯山線、東西には北越急行ほくほく線(北越北線)が走っています。

このうち、ほくほく線は1997年(平成9年)に開業した比較的新しい路線で、直江津-越後湯沢(乗り入れ区間を含む)をつないでいます。

路線長の約68%がトンネル、16%が橋や高架という山岳路線の上、在来線最速となる160km/h運行(現在は110km/h)、豪雪への対策など、鉄道ファンならずとも興味を惹かれるところがあります。

昭和のはじめから計画されていた路線で、開業までには大変な苦労があったようです。

 

北越急行ほくほく線 - Wikipedia

 

さて、ほくほく線に乗って六日町駅を出発するとすぐに水田地帯が広がり、左にゆっくりと大きなカーブを描きながら、魚沼丘陵を貫くトンネルへと向かっていきますが、この時、右手に立派な山塊が見えてきます。

これが越後三山のひとつ、八海山です。

 

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 - ほくほく線(六日町-魚沼丘陵間)の車窓から八海山遠景

越後三山(魚沼三山)は、越後駒ヶ岳2003m、中ノ岳2085m、八海山1778mの総称で、魚沼地方を代表する山々です。市街地からは八海山がよく見えますが、越後駒ヶ岳と中ノ岳は八海山の裏に隠れています。

八海山のふもとには、同名の日本酒で有名な八海醸造があります。

  

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ところで今回、本当は麓から登る予定だったのですが、あろうことか寝坊をしてしまい、ロープウェイで四合目まで上がってから歩き始めることとなりました。

 

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 - 六日町駅東口

遠くに目指す八海山が見えています。

手前にある南魚沼市図書館は2014年に開館したばかりの大変きれいな建物です。

内装には杉の木が使われていて、落ち着いた空間になっています。

 

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六日町から30分ほどバスに乗って、八海山スキー場に着きました。

ここからロープウェイで、四合目まで上がります。

 

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着いてから知りましたが、このロープウェイ、西武グループなんですね。

PRINCE SNOW RESORTと銘打って、全国10ヶ所にスキー場を持っているそうです。

ゴンドラと同じデザインの電車が、西武鉄道でも走っています。

 

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山頂駅(四合目)に到着するとこの眺め。

眼下に魚沼盆地が広がります。

 

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ロープウェイの片道券を買ったところ、ゴンドラのお兄さんにどこへ行くのかと聞かれ、八海山に登って下山すると伝えたら心配されてしまいました。

この時点で正午をまわっていましたので、コースタイム通りに歩くと20時を過ぎる計算です。確かに仰るとおり、申し訳なかったです。

 

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何はともあれ歩き始めると、新緑が美しく、ところどころ花も咲いています。

 

この日、日差しが強かったので帽子をかぶっていったのですが、正解でした。

東京では30度以上の真夏日だったようです。

 

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しばらく歩くと女人堂跡です。

八海山は信仰の山なので、いたるところに石碑や仏像があります。

6月には山開きの行事として、火渡りなどのお祭りが行われるそうですよ。

 

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カタクリの花が咲いていました。

麓では4月中旬には咲いていましたから、一ヶ月以上遅いことになります。

それほど標高が高い山ではありませんが、さすがに豪雪地帯ですね。

今年は少雪のため、これでも例年より早い開花のようです。

 

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残雪の上を歩いていきます。

目立った雪渓はここだけでした。

 

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千本檜小屋が見えてきました。

八海山は2,000mに満たない山ですが、山頂付近が開けていていい景色です。

これも森林限界というんでしょうか。

 

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寝坊しなければ、この屏風道から上がるつもりでした。

急登のため、下山禁止となっているコースです。

 

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八海山には「八ッ峰」と呼ばれる岩峰群があり、それぞれに名前がついていて、これを総称して八海山と呼んでいます。

正確には、八海山という山はないんですね。

上の写真はその一つ目、地蔵岳です。

 

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越後三山の雪解け水が、川になって水田に流れ込む様子がわかります。

遠くが少し霞んでいますが、空気の澄んだ日には日本海も見えるそうです。

 

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不動岳。

それぞれの山頂にはたくさんの石碑が建っています。

 

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八ッ峰の通過は1時間程度と短いものですが、起伏に富んでいて冒険的です。

近所にこういう山があると楽しいですね。

 

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ただ、全体がさざれ石のような岩質で、非常にもろく、クライミングには適さないようです。

迂回路にハーケンが打たれているという話を聞いていたので、もしかしたら練習場になるかと期待していましたが、これはダメですね。

 

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摩利支岳から。

左に見えるピークが越後駒ヶ岳、右が中ノ岳です。

 

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八峰目、大日岳の下りです。

鎖があるので問題ありませんが、なかったら確保が必要な傾斜です。

 

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大日岳を振り返って。

八海山の最高点はこの先の入道岳(1,778m)ですが、時間がないので次回に譲ります。

 

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新開道から下山していきます。

思っていたよりも不安定で、登り向きのルートでした。

すぐとなりの屏風道が下山禁止ですから、そういうことなんでしょう。

 

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遠くに群馬県境の山々が見えています。

 

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カッパン倉から八ッ峰を振り返って。

ここまで来ると、急坂も落ち着いてきます。

 

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稲荷清水には、かわいい鳥居がありました。

 

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ブナの新緑は、さわやかな色をしています。

 

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ゴール間近に、ワラビが群生していました。

以前なら気にも留めなかったと思いますが、食べられると知ると、宝の山に見えてくるのが不思議です。

 

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葉が開いてしまうとダメで、このくらいのをアク抜きしていただきます。

 

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登山道の終点です。

おつかれさまでした。

 

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あそこから下りてきたんですねー。

 

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こぢんまりとした神社がありました。

なかなかいい雰囲気だったのですが、あまり上手に撮れませんでした。

 

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風情のある集落です。

水を張ったばかりの棚田が輝いています。

 

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今週末に八海山登山マラソンが行われるのですが、その準備でしょうか、道路沿いにColumbiaのフラッグが点々と立っていました。

 

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八海山神社里宮です。

八海山の主な登山口は3つあるのですが、それぞれに里宮が設けられています。

他の神社にも、そのうち行きたいですね。

 

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お守りにも興味がありましたが、社務所が閉まっていたのでおあずけです。

 

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神社の入り口には、立派な杉並木がありました。

180年ほど前に、地元の集落の方々が植林されたものだそうです。

 

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今回は寝坊をしてしまいましたが、それでも出かけてよかったですね。

ここのところ、夜更かししているわけでもないのに朝が弱くていけません。

山は早起きが肝心ですから、生活のリズムを整えていきたいところです。

 

次は、越後三山を縦走したいとおもいます。

 

※2016/5/23 11:50八海山ロープウェイ山頂駅-12:25女人堂-12:55薬師岳-14:00大日岳-15:00カッパン倉-15:25稲荷清水-16:00駐車場