南アルプスを歩いてきました
こんにちは、山椒です。
先々週のことになりますが、南アルプスを歩いてきました。
奈良田温泉から北沢峠まで、一泊二日の山旅です。
あえて北岳を外した、贅沢?なルートです。
私が以前、奈良田に来たのは2003年の春、だったと思います。
その年は夜叉神峠-広河原間が土砂崩れにより通行止めになっていて、しかたなく奈良田から農鳥に上がる計画を立てたのです。
- 大門沢小屋の注意書き。見本の缶が見事にペチャンコになっている。
初めてひとりで行った、残雪期の山だったように記憶しています。
勝手がわからず、水までぜんぶ背負って、荷物が25kgくらいになっていました。
- 折れた橋にロープが張ってある。
今も昔も私には体力がありませんから、家を出るときにザックがなかなか持ち上がらず、「ア、これは無理かも」と感じていました。
- 端正な白い花。
- 14時13分。
重い荷物を背負い、日が落ちるころまで歩いた末、やっとのことで開けた場所に出て、テントを張ったのがこのあたりでした。
こちらは2003年の写真です。
この時、恥ずかしながら雪上でのペグの打ち方を知らず、地面に打つ要領で雪面に差し込んだところ、どうやら効いているように見えたので、そのまま寝たのです。
すると夜半に雪が凍り、強風でペグが抜けて、寝ている私もろともテントが斜面を滑り落ちてしまいました。
写真の手前が登り坂になっていて、滑ったテントが登山道の上で止まった恰好です。
結局この夜はほとんど眠れず、荷物の重さによる疲労もあり、日が昇るとすぐに下山してしまいました。
- 西農鳥岳山頂。一番高く見える黒い山は間ノ岳、その奥には北岳。
そんなことを思い返し、少しは成長したかな、なんてうそぶきながら歩いていきます。
今夜は農鳥小屋でツェルト泊です。
ここの主人は山好きには有名な方のようで、「農鳥親父」なんて検索するといろいろと出てきます。
この写真を撮った時点で16時半ごろでしたので、少し覚悟をしていましたが、繁忙期のためか他の従業員がおり、事なきを得ました。
トイレは今時珍しく、垂れ流しです。
ツェルトを張って、ラーメンをすすりながら、刻々と移り変わる夕焼けを眺めます。
雲の合間から、富士山が頭をのぞかせています。
太陽が沈むと雲が晴れ、甲府の街明かりが見えました。
空には天の川。さそり座が沈んでいきます。
一番明るいのが火星、次に明るいのは土星です。
気温は8度。
シュラフカバーだけでは少し冷えましたが、風の音を聞きながら眠りました。
翌朝も晴れ。
簡単に朝食を済ませ、出発します。
間ノ岳山頂は、登山者で賑わっていました。
次に向かう仙丈ヶ岳までは、長い道のりです。
左から回り込んで、尾根伝いを歩いていきます。
3,000m峰をつなぐ稜線にもかかわらず、大半は森になっています。
このあたりは気候が落ち着いているのでしょうか。
まるで北八ヶ岳のようです。
仙丈ヶ岳は、3つのカール(扇状地)を持っており、その穏やかな山容から南アルプスの女王と呼ばれています。
正面に見えているのは、大仙丈沢カールです。
仙丈ヶ岳山頂です。
北沢峠への下山中、正面に甲斐駒ヶ岳がどっしりと構えていました。
その向こうには北杜市の街並み。
有名な山なのによく知りませんでしたが、カイコマってめちゃくちゃカッコいいんですね。
白っぽい花崗岩の山なので、真夏でも雪が積もったように見えます。
そのうち登ってみたいと思います。
北沢峠に到着、おつかれさまでした。
その後、バスで甲府駅に抜け、打ち上げを兼ねてラーメン屋さんに入ると、常連と思われるお客さんから声を掛けられ、カメラの話などをしました。
店内のテレビでは、天皇陛下のお気持ち表明のニュースが繰り返し流れています。
味噌ラーメン、ごちそうさまでした。
翌日。
松本駅や長野駅には、山の日に関連するポスターや垂れ幕があちこちに出ていました。
上高地で記念式典があるそうです。
台風が近づいていたんだったかな。
行程: